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開発者インタビュー 関 洋一 ~前編~
カテゴリー:開発秘話2016.06.22

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もっと汎用的にできないか?

私は以前建設会社の情報システム部門におりまして、1998年に情報システムの新しい時代対応という名目で、基幹システムの書換えを請け負うということを言い出した経緯があるんです。しかし会社の基幹システムを書き換えるとなると、まず財務会計とか人事だけでもすごい数字の予算になるんです。
そこでお題目に何を挙げたらいいか考えていたんですが、当時持ち株会社制度グローバリゼーションがテーマになっていたので、管理会計をもっと汎用に片付けられないかというのがひとつ。
そして建設会社というのは最終原価計算の見通しがいくらになるかという問題で、トップから会計に至るやり取りがいつも揉めるので、コンピュータで最終的に会計のけりをつけちゃおうじゃないかというつもりで、プロジェクトのトラッキングの理屈をとりあえずつくったのが始まりです。
作れるとか作れないとかいう結論が社内で出ないから、しょうがなくて自分で作ったんです。で、出来るじゃんということで始めたんだけど、その頃は、ほぼRDBしか使われていなかった。結果的にトラッキングという物ごとを追っかける行為は、物ごとの属性を見てその値を持ってくるという行為とはちょっと違って、あるプロジェクトがどんどん変化していく過程で、その過程をどういう風に捉えたらいいかという問題を抱え込んじゃったんですね。
それでしょうがないから屁理屈こいて、「AがBになってBがCになったというのを、こういう風にやったらいかがでしょうか」というシステムをつくって、実際に基幹システムで、財務会計で最終原価計算まで追っかけるようなからくりをベースに、人事・営業、とりあえず全部基幹システムにのっけちゃって、投下資本利益率をどうコントロールしたらいいんだろうかということをベースにそのシステムをレイアウトしたわけです。
その過程で、投下するお金という現実的な問題にぶつかったときに、積もり上がりが数十億になっちゃって、一介のへなちょこ部長が何十億円なんて簡単に出るわけがないんですね。ソフトで30億、ハードで30億でしたから、どうしよう、と。でも現場に全部ばら撒いてやろうというんで、そのときに何とか3年掛けて稟議を通して、2年掛けて実際のGoを掛ける間に、どうやったら現実的にいいモデルができるだろうか、と考えました。
日本の業者から合見積りを取った上で5社選んだ際に、どこもかしこも作れますというんだけど、「じゃおいくらで?」と尋ねたら40億とか50億とか。某社は現状分析だけで14億。「できるかできないかわからないのに、14億出せっていうのか!」って怒りましたけどね。そういう経過があってね。

日本の情報システム屋の意識

結果的には自社製作でやらなきゃだめだということになっちゃって。ところがシステム設計に入ったときに、今度は業者じゃなくて会社内部で業務をレイアウトする連中とコンピュータをレイアウトする連中が話し始めるんだけど、後者は業務側の力がないものだから、「業務がおっしゃるとおりに作ればいいんでしょ?」という、そういう妾根性しかないんですよね。
そのときに外注さんを入れればいくらかいいだろうと思って、JVでやろうじゃないかと思ってやってみた。ところがこれもだめだった。これが2002年ですね。全部記録残していますよ。

日本のシステムソフト屋は、「設計、現状分析から、問題点を把握して、ユーザー定義を聞かなきゃできません」というようなのばっかりですから、自分らの価値はない。各業務分野の独自の主張などのいうことを聞いていると当初の合意の設計が崩壊します。スパイラルでややこしいのがややこしさを生み出して、いつも増幅しちゃうんですよね。何が不幸の原因かといったら、まともな物ごとの正確な伝達ができない、と。
そのときに思ったのは、設計変更が起きないことを先にできないかという気がしたんです。算数の式でなら、相手にあげても自分で持っててもいいじゃないですか。
僕は算数苦手なんだけど、これで解けば答えが出るといえば、相手にも算数の式であげればいいし、もらった情報処理のほうはそれをいかに早く解くか。いかにフレンドリーなユーザーインターフェースにするか、そういう技術の専門で出来るはずで。

【関 洋一プロフィール】
1972年、新潟大学経済学部卒、同年前田建設工業㈱入社後、社長室電算センター配属
2004年同社情報システム部退職
同社社内業務AP開発に32年間従事。投下資本利益率(ROA)の全プロジェクトへの適用論理、DBスキーマを柔軟に自動生成する汎用論理等、独自の論理開発を展開した。式表現の発案者であり、現在は企業の情報システム開発のソフトウェアコンサルタント。
設計・実装 児玉 敏男