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Prospect Interview「未来をつくるしごと」
カテゴリー:特集2016.10.31

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「未来をつくるしごと」第1回
医療×テクノロジーで未来をつくる ~メドピア株式会社 代表取締役社長 石見 陽氏(医師・医学博士)の挑戦

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メドピア株式会社 代表取締役社長
(医師・医学博士)
石見 陽(いわみ よう/ Yo Iwami)

PROFILE
1999年に信州大学医学部を卒業し、東京女子医科大学病院循環器内科学に入局。循環器内科医として勤務する傍ら、2004年12月にメドピア株式会社(旧、株式会社メディカル・オブリージュ)を設立。現在国内医師の3人に1人が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(旧、Next Doctors)」を2007年8月に開設。2013年に企業家表彰制度「EOY 2013 Japan」チャレンジング・スピリット部門でファイナリストに選出され、2014年に東証マザーズに上場。「世界一受けたい授業」(日本テレビ)のほか、「サタデープラス」(毎日放送・TBS系列)や「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)など、各種テレビ番組に出演し、現場の医師の声を発信中。現在も週一回の診療を継続する、現役医師兼経営者。

テクノロジーは急速に進化を続け、やがて技術的特異点を迎えると言われている。待ち受ける超高度テクノロジー社会は必ずしも肯定的に語られているわけではない。いまある人間の多くの仕事がテクノロジーによって代替えされ、人間が仕事を失うような悲観論も少なからず存在する。これからわれわれに求められるのは、いまでは想像できないほど進化して行くテクノロジーをどのように活用すべきかという知恵の力だ。
テクノロジーの力で、未来を切りひらく。そんなチャレンジをしているキーマンを追い、未来の可能性を見つめようというのがこの「未来をつくるしごと」のコンセプト。
第1回目は、「医療×テクノロジーで未来をつくるしごと」にチャレンジする、メドピア株式会社 代表取締役社長 石見 陽氏(医師・医学博士)をフィーチャーする。

(インタビュー&著:小川 和也)

小川: 石見さんは、「医療×テクノロジーで未来をつくるしごと」にチャレンジしています。御社が手がける「MedPeer」はどのような事業なのでしょうか。

石見:「MedPeer」は医師専用コミュニティサイトで、医師の集合知サービスです。皆さんが想像する以上に、医師は一人一人孤独に患者さんと向き合っています。目の前の患者の治療に迷った時、困ることも多々あります。そこで、全国の医師の集合知を提供し、最適な治療法を見つけることをサポートしたいと考えました。それがMedPeerの始まりです。医師たちが地域・専門科目の垣根を越えて、互いの臨床医経験を共有し合う場を作りたいと。

小川: いま、どれくらいの医師が参加されているのですか。

石見:医師の3人に1人が参加するまでに成長しました。10万人の医師の集合知がここにあることになります。入会時には厳格な医師資格認証を行い、サイト内のコミュニティ及び情報の質を維持しています。医師会員の属性は日本の医師全体のほぼ縮図だと言えます。

小川: 収益モデルはどのようになっているのでしょうか。

石見:医師会員は無料でサイトを利用可能で、製薬企業等のマーケティング支援料が主な収益源となっています。具体的には、薬剤評価掲示板を活用した製薬企業へのマーケティング支援で、薬剤評価掲示板は薬の基本情報とその薬を使用している医師が書き込んだレビューで構成されています。たとえば、ある特定の薬について知りたくて来訪する医師会員に対し、製薬会社がその薬に関する情報を掲載できる広告枠を提供しています。

小川: 「MedPeer」の中には貴重なデータが大量に蓄積されていそうですね。

石見:薬剤や症例など、多様なテーマで医師同士が臨床経験を共有する場ならではのデータが蓄積されています。ディスカッション、ポスティング調査、薬剤評価掲示板、症例相談、症例検討会など、臨床支援のコンテンツを多数抱えており、薬剤評価件数で約50万件、約300領域、約2500種類の薬剤を網羅しています。症例相談も、対象となる疾患カテゴリーで60領域以上を網羅しています。

小川: それらの豊富なデータをベースに、あらたなチャレンジが出来そうですね。

石見:データの有効活用は、これからチャレンジしたいことのひとつです。

小川: ところで、石見さんは現役医師でもあり、同時にヘルステックベンチャーとして上場も果たしました。米国では散見されますが、日本では珍しいケースですよね。

石見:もともとは東京女子医大の循環器内科出身で、ITの力を使って医療の課題を解決したいと創業しました。現在も診療を継続し医療現場のニーズを汲みながら経営したいと考えています。それが現役医師兼経営者の強みであると認識しています。

小川: それは同感です。両方兼ねることで実現出来ることが間違いなくあると思います。特に「医療×テクノロジー」はまだまだ手をつけられていない領域だらけですし、現役の医師だからこそ、その課題抽出を的確に行なえ、ソリューションを打ち出せる面があるはずです。

石見:医師法、医療法、医療品医療機器等法(旧薬事法)などの法律や医療保険制度など、ビジネスを展開する上で無視出来ない法律・制度が多数存在しています。高度な専門性と閉鎖的な風土を乗り越えるパワーが必要ですが、IT化が進んでいない領域が多く残っていますので、テクノロジーの力を活用して医療の質と効率が飛躍的に上がる余地が十分にあります。MedPeerの医師10万人ネットワークと集合知をフル活用したいと考えています。