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Prospect Interview「未来をつくるしごと」
カテゴリー:特集2017.01.13

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「未来をつくるしごと」第2回
スポーツ×テクノロジーで未来をつくる~株式会社ユーフォリア 代表
宮田 誠 氏の挑戦

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株式会社ユーフォリア 代表取締役/Co-Founder
宮田 誠(みやた まこと/Makoto Miyata)

PROFILE
長野県出身。白馬村にて身内で旅館業を営む(約70年)。親戚に3名の冬季五輪選手(アルペンスキー)がいた影響から、自身も幼少よりスキー/スノーボードに没頭する。
明治大学商学部卒業後、商社にてエネルギー(石炭)貿易に従事。その後、エネルギー関連ベンチャーの立ち上げ(台湾)、株式会社ブリヂストンでのマーケティング業務を経て、2008年に株式会社ユーフォリアを創業し、代表取締役に就任。

テクノロジーは急速に進化を続け、やがて技術的特異点を迎えると言われている。待ち受ける超高度テクノロジー社会は必ずしも肯定的に語られているわけではない。いまある人間の多くの仕事がテクノロジーによって代替えされ、人間が仕事を失うような悲観論も少なからず存在する。これからわれわれに求められるのは、いまでは想像できないほど進化して行くテクノロジーをどのように活用すべきかという知恵の力だ。
テクノロジーの力で、未来を切りひらく。そんなチャレンジをしているキーマンを追い、未来の可能性を見つめようというのがこの「未来をつくるしごと」のコンセプト。
第2回目は、「スポーツ×テクノロジーで未来をつくるしごと」にチャレンジする、株式会社ユーフォリア 代表 宮田 誠 氏をフィーチャーする。

(インタビュー&著:小川 和也)

小川:国内ではあまり注目されていなかったラグビーワールドカップ2015年の日本代表チームですが、ふたを開けてみたら強豪の南アフリカ代表に衝撃的な勝利、3勝もしてしまうという快進撃に世界が驚きました。それを側面的にサポートしていたのが、宮田さんが共同代表を務めるユーフォリア社なのですよね。

宮田:弊社は、もともと企業の課題解決を行なうコンサルティング会社として2008年に創業されました。2012年にラグビー日本代表チームとのご縁があり、スポーツテクノロジー領域に参入し、チーム改革のサポートの一部を、システム面からお手伝いすることになりました。

小川:チーム改革において、具体的にどのようなことに注力されたのですか。

宮田:自国開催でもある2019年のワールドカップでベスト8入りを目指そう、ということだったのですが、過去7回の大会で1勝しかしていなかった当時の日本代表にとっては極めて高い目標でした。抜本的に戦い方を変える必要があり、そのためにはまずフィジカルを変えなければならない。アメリカのメジャーリーグ等でもゲーム分析はかなり進んでいるのですが、ゲームに挑む前の練習のプロセス管理、コンディショニングに関してはまだまだやりようがあります。怪我をしないギリギリのところまで追い込めるか、そういうハードなトレーニングをマネジメントできるツールを求められ、開発したのです。それがONE TAPというシステムです。

小川:確かに、その手の着眼点や仕組みは日本で浸透していなかったですよね。海外ではどうなのでしょう。

宮田:オーストラリア人であるヘッドコーチのエディー・ジョーンズさんにとってスポーツテクノロジーは常識だったようです。オーストラリアはスポーツサイエンス、コーチングサイエンスの研究が盛んで、国を挙げて取り組んでいます。アメリカも進んでいますが、オーストラリアはさらに進んでいる。それに対して、日本は2周遅れくらいの感覚です。

小川:その遅れを取り戻すべく生まれたONE TAPで、フィジカルやトレーニングをどのようにサポートされたのですか。

宮田:選手個々がスマートフォンやタブレットから毎朝コンディションを入力し、体調の波形を見える化し、それに基づき、コーチ・トレーナーが、練習量を調整したり、フォローをしたりします。システムを使って、体調とトレーニング管理の両輪を回していました。車のスピードメーターや飛行機の計器のように、スポーツでも羅針盤を確認しながらトレーニングや体調を操縦するようにした、というのがエディ・ジャパンのやり方だったと思います。

小川:選手個々にKPIは違うわけですよね。

宮田:そうです。特にポジションによって大きく違います。フォワードでスクラムを組む選手、バックスで走る選手、ポジションによって求められる能力が異なりますから。インターナショナルトップ10、ワールドクラススタンダードと、世界レベルをベンチマークに、日本代表チームの個々の選手の現状を把握し、そこを目指したハードトレーニングで徹底的に追い込んでいました。従って、トレーニングの内容も個々に変わってきます。

小川:フィジカルを細かく因数分解してトレーニングする必要がありますよね。

宮田:体格、加速スピード、押す力、引く力、持ち上げる力、細分化すると数十レベルに達します。さらに、それぞれ上半身、下半身と細分化されます。それをコーチ陣が我々のシステムを使いながらマネジメントしていました。

小川:ハードトレーニングを続ける選手にとっては、そのシステムがよほど使いやすくないとマネジメント継続が困難ですよね。

宮田:そこがとても重要です。朝一で入れたデータがすぐに、そして分かりやすく使えるようにすることは欠かせません。スポーツの現場は、まだホワイトボードと紙が多い世界なので、可視化をどうするかが大事です。

小川:システムは、相応にバージョンアップを重ねたのでしょうね。

宮田:一回開発して終わりではなく、いかに高速でカイゼンを重ねて行くかが勝負です。3年間で数百回はカスタマイズしたと思います。長く継続するほど、データが増えるので使い方の精度も上がりますし、それには継続しやすいシステムでなければなりません。

小川:それらのデータを使いこなす現場の指揮官はどなただったのですか。

宮田:指揮官はエディーさんでした。